知られざる東大キャンパスのこんな話やあんな噂・・・
酒にまつわる大学生の不祥事、
法律違反は後を絶ちません。
昔はもっとおおらかだったのにな、
と言いたいときもあるのですが、
酒は時に人を惑わしますので用心するに越したことはありません。
報道されて名前に傷がついてもいけませんので
大学当局もかなり神経質になってきており、
最近ではキャンパス内飲酒禁止のところも増えているそうです。
さて一方、東大はといえば、
そんな風潮ももろともせず酒飲みの天国であり続けています。
飲酒禁止の規定がないどころか、
むしろ「どんどん飲んでください」と言わんばかりに、
あちらこちらに飲酒スポットがあるのです。
例えば、安田講堂前の銀杏並木沿いに位置する学食「銀杏メトロ」では、
メニューに生ビール(250円)が載っています。
なかなか良心的な価格設定ですので
ついつい飲み過ぎてしまいそうですが、
さすがに早い時間から飲んだくれる学生を出してはいけない
という教育的配慮からか、
15時を回らないと注文できないようになっています。
但し学食にもそれぞれカラーがあるようで、
安田講堂下の「中央食堂」には酒類は一切置かれていません。
どうしても飲みたい場合には、
食堂橫の生協で缶ビール(あるいは「東京大学ワイン」や芋焼酎「本郷赤門」)を購入して、
三四郎池の人目のつかない一角(写真1)などで
こっそり一杯、ということになります。
また、酒といえば例年東大の学園祭「五月祭」で、
日本酒の利き酒コーナーが設けられます(第35回の記事参照)。
その開催元の農学部がある弥生キャンパスには、
最近本格的なバーまでもが誕生しました。
この日はあいにく時間が早すぎてまだ開いていませんでしたが、
バーはこの素敵な建物の中にあります(写真2)。
さて、酒に酔えば人間はいろいろやってしまうもの。
10年ほど前、総合図書館前の噴水に真っ裸になってよじのぼる
学生二名の姿を目にしたことがありましたが、
それも酒の魔力のなせる業だったのでしょうか。
また、全部が全部酔った勢いで書かれたものではないのでしょうが、
本郷キャンパスのあちらこちらで見られる
落書きにはなかなかインパクトがあるものが多く、
一見の価値ありです。
ちなみに、私が最近見つけたもののなかで最も強烈だったのは、
下手くそでありながらも味わい深い字で書かれた
「南朝」という落書きでした(写真は自粛)。
書き手が酔っていたのかしらふだったのかはわかりませんが、
意味不明度からして永久保存版の落書きではないかと思います。
東京大学大学院博士課程満期退学。2006~07年に、英国・シェフィールド大学の修士課程に留学。専門は19世紀英詩。