知られざる東大キャンパスのこんな話やあんな噂・・・
さて、さっそく問題です。
東大本郷キャンパスと上野の不忍池はどのくらい離れていると思いますか?
本郷キャンパスの最寄駅は本郷三丁目駅です。
上野に出るにはそこから都営大江戸線に乗って一駅ですから、
遠くはないにしても歩くとちょっとかかりそうな感じがします。
でも、もし機会があれば試していただきたいのですが、
実際に行ってみると意外なくらい近いことがわかります。
最短距離だとおよそ100メートル。
本当に目と鼻の先なのです。
もっとも、本郷キャンパスの中心地(安田講堂のあたり)からだと
600メートルくらい離れていますので、
普段はあまり不忍池がすぐそこという実感 はありません(ですので、休み時間に不忍池でボートを一漕ぎ、という人を見たことは一度もありません)。
キャンパスは上野方面、つまり東側にぐいっと広がっていますので、
東端の池之端門からなら不忍池は非常に近いという訳なのです。
ちなみに写真1が池之端門です。
進入禁止の標識が「これでもか!」というくらい貼りついていて
非常に立入禁止感がありますが、気にせず入ってください。
車でなければ、入構に一切制限はありません。
東大病院関係の施設を左手に見ながらしばらく進むと、
お茶の水や上野行きのバスが居並ぶロータリーにたどり着きます(写真2)。
池之端門からここまでは約300メートル。
標高の低い不忍池から本郷台地に一気に上ることになりますので、
この季節は汗がうっすらにじみます。
実は今回この道を歩いたのは、
とある煙突を紹介したかったからでした。
本当は写真2の真ん中あたりに写っているはずだったのですが、
撤去されてしまったようで、
残念ながら撮影することはできませんでした。
ミッション遂行ならずです。
おそらく清掃設備の煙突だったのだと思いますが、
東大病院のすぐ北にあることから、
学生のあいだではいわくつきの煙突として知られていました。
実験に使った動物や、
更には◯◯を焼いているのではないか(←◯◯はご想像ください)
という噂も流れていました。
実際はそんなことはなかったと思いますが、
なんとなく不穏な予感を誘う、
怪しくも魅力的な煙突だったのです。
懐かしい物が消えてしまうのは悲しいですが、
最後に希望のある話を一つ。
かつて総合図書館の前にあった楠の移植先がわかりました
(楠については、第37回の記事をご覧下さい)。
三四郎池の南、
医学部二号館前の広場に移植されていたのでした(写真3)。
めでたし、めでたし。
東京大学大学院博士課程満期退学。2006~07年に、英国・シェフィールド大学の修士課程に留学。専門は19世紀英詩。