知られざる東大キャンパスのこんな話やあんな噂・・・
3月中旬のある日の本郷キャンパスの光景です(写真1)。
場所は、総合図書館と三四郎池のあいだを通る道路沿い。
普段は何もないところに鉄パイプで即席の掲示場が組まれ、
そこに前期日程入試の合格者番号が貼り出されていました。
もう合格発表当日から1週間近く経っていましたので、
掲示場で自分の番号を確認する受験者はひとりもいませんでしたが、
少し前にはここで喜ぶ姿、悲しむ姿が見られたのかと思うと
感慨深いものがありました。
合格発表は本郷キャンパスなのですが、
そこで合格を確認した受験者は全4月から駒場キャンパスに通うことになります。
前期日程の受験会場は、
文系は駒場で理系は本郷ということになっていますから、
特に文系の人は2つのキャンパスを行ったり来たりと慌ただしいです。
だったらいっそ駒場で合格発表すればいいのではないかとも思うのですが、
「合格発表権」(?)は
あくまでメインキャンパスの本郷が握っているようです。
合格者にとっても赤門前で記念撮影ができるのでいいのかもしれませんが、
大学4年間をずっと駒場で過ごす人もいるのですから、
駒場ではなく本郷で合格発表をすることに何か釈然としないものも残ります。
さて、そんなもやもやを心に残しつつ
掲示場と三四郎池のあいだに広がる空間に視線を送ると、
弓道場が見えてきました。
写真1からだと少しわかりにくいのですが、
鉄パイプの裏側には和風の建物があり(写真2)、
そこで弓道部の部員たちが練習に励んでいるのです。
この日はちょうど何人かの部員が的に向かって矢を射る練習をしていました。
すると、誰かがうまく的を射抜いたのか、
中から「当た〜り〜」という間延びした声が。
なるほどこれはうってつけ。
ここでようやく合格発表を本郷キャンパスで行う理由に
合点がいってすっきりしました
東京大学大学院博士課程満期退学。2006~07年に、英国・シェフィールド大学の修士課程に留学。専門は19世紀英詩。