知られざる東大キャンパスのこんな話やあんな噂・・・
東大では、「猫文二」(ねこぶんに)という言葉をよく聞きます。
いや、
もしかしたら今現在はもうあまり使われないのかもしれないのですが、
少なくとも私が入学した1998年当時はよく囁かれていました。
「猫」というの はミャーミャー鳴くあの猫のことで、
「文二」というのは文科二類、
つまり3年生になったら大部分が経済学部に行くことになる1、2年生の所属する科類のことです。
では果たしてなぜ「猫文二」などという言い方をするのかというと、
文科二類の学生は「(駒場キャンパスをうろついている)猫よりヒマだ」と周りから見られているからです。
もともとは、
「理一・文三・猫・文二」という言い方がされていたようなのですが、
いつからか「猫文二」の部分だけ独立して用いられるようになりました。
理一(理科一類)からは主として工学部や理学部に、
文三(文科三類)からは特に文学部や教育学部に進学します。
その点、経済学部に進む文二生と条件は変わらないように見えるのですが、
理一や文三の場合は進学振り分け(略称、進振り)というものがあり、
成績の良い学生から優先的に希望する学科に行けるシステムとなっているため、
1、2年生のうちから一生懸命勉強しなくてはなりません。
それに対して文二生はほぼ自動的に経済学部に進めるので、
遊んで暮らしていても大丈夫だと思われています。
それで、忙しいほうから順番に「理一・文三・猫・文二」と
序列がつけられているという訳です。
猫よりヒマってどういうことなんでしょうね?
ただし、近年の制度改革により、
文科二類の学生もある程度勉強しないと経済学部に進めないようになってきているようです。
ですので、もう「猫文二」は死語なのかもしれません。
でもまだ私は、「文二」という言葉を聞くと条件反射的に「猫」をイメージしてしまいます。
ちなみに写真は猫、もとい、文二生の進学先、経済学部です。
奥のほうに赤門が見えます。
東京大学大学院博士課程満期退学。2006~07年に、英国・シェフィールド大学の修士課程に留学。専門は19世紀英詩。