―第5回― イチョウのジンクス
秋になり、東大のキャンパスはイチョウの実の匂いが漂う季節になりました。銀杏は東大のロゴにも描かれている、大学を代表する植物です。写真は、本郷キャンパスのイチョウ並木ですが、駒場キャンパスにも東西を貫くかたちでイチョウ並木があり、そこにはある言い伝えがあります。特に大学1年の女子学生に向けられているもので、「イチョウの葉が散るころまでに彼氏ができないと、在学中ずっと独りでいることになる」というものです。似たような話は慶応の日吉キャンパスにもあるということなので、イチョウの散る時期を、彼氏が<できる・できない>のタイムリミットに設定するのはよくある話なのでしょう。今はそんなこともないのだと思うのですが、かつて東大女子は一旦卒業したら結婚相手を見つけるのが難しいぞと言われることもあったようなので、早めに相手を見つけとけというメッセージもこめられていたのかもしれません。
あと、本郷のイチョウ並木にまつわる話を二つほど。一つは、ギンナン拾いについてです。毎年、ギンナンが落ちる季節になると、学外からもキャンパスに人が集ってきて拾っている光景を目にすることがあります。ギンナンの実は外側がべたべたしていて臭いので、みなさんビニール袋を手に当てて拾っています。なかなか用意周到です。それが大学公認なのかどうかはよくわからないので真似するのはオススメできませんが、ギンナン好きの人にとってはこの時期のキャンパスは食欲をそそるみたいです。
それから、もう一つは正門から安田講堂へと続くイチョウの散り具合について。毎年よく観察すると、ほかは散ってしまっているのに、法学部前のイチョウの木だけがなぜか葉を残しているのを見ることができます。空気の通り道の関係とかいろいろ理由はあるのでしょうが、文学部的僻みで、法学部のあたりは世間の風もあたたかいのかなと勝手な想像をしています。これももしチャンスがあれば 確認してみてください。
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