東大探検隊

―第4回― 見ると留年する池〜一二浪池

 東大の本郷キャンパスには、三四郎池があります(写真1)。もともとここは加賀前田藩邸内の庭園で心字池と呼ばれていたものなのですが、夏目漱石の小説『三四郎』に描かれてからというもの、その名をとって三四郎池と呼ばれて親しまれています。池のまわりはぐるりと一周することができますが、段差のきつい石段があったりと歩きにくいところもありますのでご注意を。本郷では、土日にキャンパスツアーというのが開かれていて、学生アルバイトがこの三四郎池を含めたキャンパス内の見所をゆっくり案内してくれますので、もし機会があればぜひ参加してみてください(要予約です。東大のサイトから予約することができます)。

 と、三四郎池は観光スポットとして有名なのですが、実は駒場キャンパスにも池があり(写真2)、こちらは「一二浪池」と呼ばれているというのはあまり知られていないと思います。これはもちろん三四郎池のもじりで、キャンパスの北のはずれにあるとってもさびしい池なのですが、この池を一人で見にいくと留年するという言い伝えがあります(だから「浪」なんです)。いまは一二浪池までの道は整備されていて、池の周囲もきれいになっていますが、10年くらい前までは林というか薮の奥にひっそりとたたずむ、とっても存在感の薄い池でした。ネーミングは単なる言葉遊びなんだと思いますが、ついでにそんな池を一人で見に行くなんて精神衛生上よくないから留年するぞと脅して戒めていた、というわけなのかもしれません。

 あと、多少の例外はありますが、東大生は学部の1、2年時に駒場キャンパスに通い、3、4年生になると本郷キャンパスに移ります。なので、「一二」浪池、「三四」郎池というのはそれぞれのキャンパスにいる学生の学年を示すものにもなっています。




写真1
写真1






写真2
写真2

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