第41回
学生街の喫茶店

写真1
学生のたむろするところには喫茶店あり。最近はチェーン系の喫茶店に押され気味ではありますが、まだ本郷では個人経営の喫茶店も健在です。面白いことにチェーンか個人経営かというのは場所によって多少住み分けがあるらしく、本郷三丁目の駅前から交差点周辺あたりはチェーン系が圧倒的で、大学正門あたりまで来ると「純喫茶」(いい響きですね)の香りがプンプン漂ってくる感じがします。もっとも駅前にもいくつか硬派な喫茶店(懐かしの名曲喫茶など)はあるので、これは一つの目安でしかありません。

駅前の明るいセルフサービスの店も気楽でいいのですが、やはりじっくり腰を落ち着けるとなると、薄暗い昔ながらの喫茶店に限ります。最近はめっきり行く回数は減りましたが、3年ほど前まで暇さえあれば通っていたのが正門前のとある喫茶店です。名前はここではヒミツですが、有名な店ですので少しネットで調べればすぐに出てくると思います。(ヒント:店名はフランスの画家の名前。名物メニューはセイロン風カレーライス。)

席は1階と2階に分かれていますが、もし空いていれば2階席に行くことをオススメします。しかもできれば窓際の席に座りたいところです(写真1)。テーブルも椅子も木製で落ち着いた雰囲気です。椅子が木だと腰が痛くなるかなと心配になるかもしれませんが、ご安心ください。どの椅子にもご丁寧に座布団がついています。私は日によってはコーヒーをおかわりしつつ3時間くらい粘るときもありますが、体は一向に平気です。

写真2
そして窓の外には、大学正門と本郷通りの銀杏並木が見えます(写真2)。

この店に通っていると研究室がわりに使っている教員の姿を見かけたり、学生たちが人生(恋愛?)について語り合う場面に出くわしたりしますので飽きません。読みたい本があったのに、盗み聞きに精を出してしまうということもよくあります。(喫茶店の楽しみというのは本来そこなんですけどね。)確か全席喫煙可ですので、タバコの匂いが絶対に嫌という人は止めた方がいいですが、無味無臭なセルフサービスの喫茶店にはない風情は味わえますので、たまには服にタバコの匂いがついてもいいのでは、と私なんかは思ってしまいます。ただし常連の教員にキツイ匂いの葉巻を吸う人がいますので、その時は要注意です。