第40回
駒場の散りゆくイチョウ

写真1
駒場キャンパスらしいものをもう一つ。それは正門を通るとき、守衛さんが声をかけてくれるということです。非常に温かくていいなと思うのですが、おそらくこれには新入生に対する教育の意味も込められているのではないかと私は睨んでいます。挨拶くらいきちんとしろよということなのでしょう。あとは励ましという側面もあるのかもしれません。とくに地方出身の学生は最初は寂しいでしょうから、守衛さんの挨拶に救われる部分もあると思います。

ちなみに写真1に写っているのが正門です。守衛室も見ることができます。

もう12月も半ば。4月に入学してきた新入生も大学生活に慣れたことだろうと思います。そんなことを考えながら私の学生時代にはなかった新学食の一帯(写真2)を歩いていますと一つ気づいてしまったことがありました。一人がけの席が結構多いのです。昔の学生も一人で食事することはありましたが、そんなときでも大きいテーブルで知らない人と一緒に食べたものです。別に会話はしなくても、「ここ空いていますか」と声をかけたり、荷物がじゃまにならないようにしたりと、結構気をつかいました。一人がけのカウンター席だとその点気楽なのでしょうが、更に人間関係が希薄になってしまうでしょう。これも時代の趨勢なのかもしれませんが、学食なんて大きいテーブルが並べてあれば十分だと私などは思ってしまいます(ちなみに本郷の学食にはまだカウンター席はないと思います。)

写真2
学食から駒場のメインストリートである銀杏並木へと向かいました。イチョウはほんの少し葉を残すだけの状態でした。もの寂しい光景です(写真3)。イチョウのジンクス(第5回の記事参照)のことを思い出しましたが、さすがにそのジンクスはまだ残っていますよね? あまりに変化が早いものですから、ちょっと心配になりました。

写真3