―第25回―
東大キャンパスに名前を残す方法
東大キャンパスに自分の名前を刻みたい! そう熱望する方がもし読者の中におられたら、ぜひ建物を寄付していただきたいと思います。もちろん億単位のお金がかかりますが、安田講堂を寄付した安田財閥の安田善次郎氏のように、後世まで語り継がれること間違いなしです。誰かが立てこもってさえくれれば、ニュースであなたの名前が連呼されるという幸運も待っています。
ただし、そんな奇特なあなたが外国人の場合は、せっかくお金を出しても名前が残らない可能性がありますのでご注意を。ロックフェラー財団の寄付のおかげで建てられたのにも関わらず、図書館は「ロックフェラー図書館」ではなく「総合図書館」と名づけられてしまったという前例があります。もっとも、図書館が建ったのは戦前の東京帝国大学時代ですから、今よりもっと頭がカチカチで、外国人の名前を図書館に冠するなど到底考えられなかったのかもしれません。現在の「国立大学法人東京大学」はそのあたりゆるくなっている可能性が高いですので、ご希望の向きは、小切手片手に大学事務局に確認をとってみてください。
最近の例で言うと、ベネッセの福武總一郎会長の寄付によってつくられた情報学環の建物(写真1)は「福武ホール」と命名されています。安藤忠雄氏の設計ですのでなかなかオシャレです。他の出版社さんも、後に続いてみてはいかがですか?
とはいえ、この不況の世の中ですから、大金をはたいて建物を寄付するというのは現実味に欠けるかもしれません。あとお金をかけずに東大キャンパスに名前を残すには、ノーベル賞をとるという裏ワザ的(超絶技巧的?)方法もあります。前例としては、ノーベル物理学賞をとった小柴昌俊氏を記念する「小柴ホール」(写真2)が理学部にあります。ただし、ノーベル賞さえとれば確実に名前を残せるという訳でもなさそうで、文学部に川端ホールや大江センターがないところからすると、分野や状況によりけりのようですから、この方法はあまりオススメできません。
写真1
写真2
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