東大探検隊

―第26回― ジャングルの中の廃墟

今回は特に「探検隊」らしい話題です。本郷キャンパスの正門と赤門のちょうど中間地点くらいのところに、妙な建造物(写真1)があります。アーチだけで壁はなく、まさに教会か神殿の廃墟のような風情。しかも上から蔓状の植物が覆いかぶさっているので、ジャングルの中に埋もれてしまった、失われた文明の遺跡のような雰囲気すら漂わせています。

裏に回ってみると、更に衝撃の事実が。屋根の部分にまとわりつくようにして青々と葉を繁らせているのは、たった一本の木なのでした(写真2)。しかも幹は何本にも分かれてくねくねと絡み合っており、熱帯植物のようにも見えます。いくら温暖化が進んでいるとは言え、都心のキャンパスもこんなに熱帯化してしまっているものなのでしょうか?それにだいたい大学当局はこのようなヤブ蚊が出そうなスポットをどうして放ったらかしにしておくのでしょうか?

今のようにただでさえ暑い時期に、そんな疑問を抱えながらこの廃墟を見つめていると更に暑苦しく感じるかもしれませんが、ぜひ足を進めて内部を「探検」してみてください。そこには何と一転涼しげな空間が広がっています(写真3)。実はこれは廃墟風のあずまやなのでした。ゆっくりと座って休めるように、ベンチも用意されています。日差しの強い日に涼を求めて中に入ってみると、ほっとひとごこちつくことができそうです。でも猛暑の時期は、あずまやの中も暑いことは暑いですから、気分だけ味わったらすぐにクーラーの効いたコンビニにでも駆け込むのが賢明かもしれません。







写真1



写真2



写真3

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