東大探検隊

―第9回― 銅像の「裏」

本郷キャンパスの中には、至るところに像や記念碑が置かれています。一番古いのは明治の頃のお雇い外国人講師の銅像かと思いきや、更に古いものもあり歴史的価値もありそうな仏像(写真1)が法文2号館のとある階段の踊り場に置かれていたりもします。また、新しいところでは、小柴昌俊氏のノーベル賞受賞記念碑が安田講堂の裏に設置されました。

そのような像や記念碑の中で、ひときわ異彩を放っているのが、「濱尾新先生像」(写真2)です。とにかく大きくて、しかも重厚な台座の上に置かれているので、前に立つと見下ろされているような気分になります。その人物は足を組んでいてエラソウなので、更に見下されているような感じすらも覚えます。濱尾新という人は、明治末期の東京帝国大学の総長ですが、現在では、東宮侍従だった濱尾実氏やカトリックの聖職者で枢機卿まで務めた濱尾文郎氏のおじいさんにあたる人だと言った方が通りがよいかもしれません。これほど立派な銅像は本郷キャンパスの中には他に見当たらないので、よほどの人物だったのだろうということは想像がつきます。

ちなみに、「濱尾新先生像」の台座には階段がついていますので、銅像の真下まで上がることができます。ぜひキャンパス訪問の折には台座の上まで上がってじっくり銅像見物を、と言いたいところですが、噂によると銅像の裏でこっそりいちゃついているカップルもたまに見られるということなのでご注意を。「濱尾新先生像」をじっくり見物したいときにはひとつ咳払いをする、というのがエチケットかもしれません。




写真1
写真1






写真2
写真2

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