―第7回― 「シケプリ」のシステム
今回は、駒場生(大学1、2年生)の生活について書きます。東大は、1、2年が教養課程なので全員駒場キャンパスに通い、3年次から各専門の学部に進学するというシステムをとっています。教養課程も文科一類、二類、三類、理科一類、二類、三類の6つの科類にわかれているので、どこに所属するかによっていろいろ経験も異なってくるのですが、ここではおそらくどの科類にいても必ずといっていいほどお世話になる「試験対策プリント」(通称、「シケプリ」)について紹介したいと思います。
4月に入学すると、まず第二外国語の科目別のクラスに所属することになります。たとえば、私は第二外国語がフランス語だったので、文三15組ということになりました。一クラス40人くらいです。単に語学のクラスを一緒に受けるだけでなく、入学式前に一泊二日でオリエンテーション合宿(「オリ合宿」)に行ったり、駒場祭で出店を出したりするので、同じクラスの人(「同クラ」)とは結構仲良くなります。
そんなクラスで最も(といっていいほど)重要なのが、シケプリの作成です。講義に出席しなくても試験で高成績がとれるように、試験前に科目別に作成される講義内容をまとめたプリントのことをシケプリと言います。まず入学直後に各クラスで「シケ長」(試験対策委員長)が決められ、シケ長に任命された人は他のクラスのシケ長たちと連携をとりながら、クラスの誰にどの科目のシケプリを作ってもらうのかを決め、できあがったシケプリを試験前に印刷・配布するという任務を帯びます。やはり他クラスに知人・友人が多い学生にやってもらったほうが何かと便利ということもあり、うちのクラスは開成出身の人がシケ長を引き受けてくれました。
私も一回だけ「人間I」という思想系の概説科目のシケプリを作ったことがあります。講義には毎回必ず出席をして重要なポイントをまとめ、教官がこれは試験に出すよと言ったことなどもメモして、A3で2〜3枚くらいの試験対策プリントを完成させました。出席者が少ない講義やゼミ形式のものについてはシケプリは作られないのですが、大教室での科目についてはどれでもほぼ確実に手に入るシステムになっていました。しかも他のクラスで作成されたものも回ってくるので、一つの科目について数種類のシケプリがありました。もちろん全部無料です。
ちなみに写真は、試験前にはシケプリがうずまく、駒場のシンボル一号館です。
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